日本科学者会議東京支部


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ごあいさつ

日本科学者会議(以下JSA)は間もなく創立50年を迎えようとしています。東京支部はその中でJSAの活動において常に重要な役割を担っていることを自覚しつつ、活動を続けてまいりました。その原点には、国民の要求に根ざした研究活動を通して科学者としての社会的責任を果たすことにあります。JSAは広範な学術分野の科学者で構成されています。したがって、その問題意識や解析において常に広い分野からの意見の集約を目指しています。
2011年3月11日の東日本大震災、そして未曾有の原発事故は、わが国の科学技術の問題点を赤裸々にさらけ出しました。創立以来私たちが追い求めてきた課題が極めて現実的であることが明らかになり、私たちの使命の重要性を改めて自覚したところです。
現在日本の社会は原発のみならず様々な問題を抱えています。大学や研究機関では真に国民の豊かな生活を実現するための研究や教育がないがしろにされ、先進諸国でも最も高い教育費、大学や大学院を出てもそれを生かす仕事がなく、若者は極めて深刻な状況に置かれています。研究者は十分な研究時間、設備、研究費がないにも関わらず、研究成果のみが矢継ぎ早に問われ、多忙な毎日の中で疲弊をしています。こんな中で本当に良い研究や技術が生まれるでしょうか。
他方において、科学技術が本当に国民の幸せために生かされているのでしょうか。原発事故はまさにそのことの答えではないでしょうか。この2年、JSAの多くの会員が、市民の方々と連携して集会への参加、シンポジウムや学習会などでの講師活動などを行なってまいりました。しかし、こうした活動は原発事故後に改めて行なわれたものではなく、これまでも原発設置反対、核兵器廃絶の運動、公害問題での闘い、など多くの市民の方々と共同してまいりました。
今、私たちは改めてその役割の重要性を確認し、私たちの活動に共感される科学者、学生、市民の方々と共同して、真に豊かな日本を作りたいと念願しています。本ホームページから私たちの活動を知っていただき、ご一緒に活動できることを願っております。
2013.1.23
日本科学者会議東京支部
代表幹事 池上幸江